東方紅魔郷
(Ver1.02h)
特徴
・シンプルなゲームシステムで覚えるべきルールが少ない。
自機の当たり判定表示やEnemyマーカーが無いなどシステム的には発展途上。
・自機のスペルカードをボムとして使用する(妖々夢・永夜抄も同様)。
ゲーム開始時や被弾後のボム数は3つ。被弾前のボム数は無視される。永夜抄も同様。
・喰らいボム:東方伝統となるシステム。被弾直後にボムを使用すると被弾を帳消しにできる(ただし本作ではリザルト画面のミス回数に計上される)。
被弾に気付いてから反応してもまず間に合わず、使用したが一瞬の差で被弾の方が早かったという場合の救済措置に過ぎない。
多くの作品では受付時間は8フレーム固定だが、本作では6フレームかつ被弾毎に減少(ミスでリセット)と厳しい。 ※1秒=60フレーム
・ボスの通常攻撃に統一性がそれほど無く、同じ避け方が通用しにくい(妖々夢もExtra除き同様)。
・難易度による敵スペルカードの変化・追加が最も多い作品。自機タイプでも変化する4ボスのスペル数は随一。
・大弾や中弾の当たり判定が大きめ(めりこめる範囲が小さい)。
・スコアエクステンド(規定のスコアに達する度に残機が増える)。
難易度概説
・エクステンドが最大6回までと少なく、1機あたりの価値が大きい。
残機以外から手に入るボムも3つ(Easyは2つ)で、後の作品と比べると圧倒的に少ない。
・パターンだけでは突破できない気合い避けが必要な場面が多い。パターン暗記の労力は小さい。
・ボスが自機の位置に関係なく動き回るため、敵弾を避けながら頻繁に変化する敵位置の正面を維持する技術が求められる。
・自機(魔符を除く)のメインショットが扇状に大きく広がっていくため、正面の遠く離れた敵には外側のショットが当たらない。
全体的に敵(特にボス)のHPが低いこともあり、接近して速攻で終わらせる戦法が有効な場面が多い。
・フルパワーでないとアイテムの上部回収ができず(妖々夢も同様)、特に上位難易度の1~2面ではP(パワー)アイテムを正確に取得していくのが難しい。
一方、フルパワー到達時には画面全体に対し弾消し効果が発生するので被弾直後の助けになる(妖々夢・永夜抄も基本的に同様だが敵スペル中は効果無し)。
・顕著なランクシステム(プレイ中の実績に応じ弾幕水準が変化)を採用しており、上位難易度では被弾により大きく弾速が下がる弾幕が目立つ。
・オプションでゲーム開始時の自機数を変えられる(Extraでは無効)。増やしてもスコア以外にシステム上のペナルティは無い。妖々夢・永夜抄も同様。
※難易度評価は初期設定に基づく。
・本作に限り、プラクティスでは設定に関わらず残機が2で始まるので練習しにくい(他作品では上限値スタート)。
注目自機
・霊夢:霊符(霊夢A)
ホーミング型。サブショットが敵を追尾する。道中が比較的楽で雑なパターンでも割と敵を倒せる上にボムが強いが、正面への攻撃力に劣りExtraとの相性は最悪。
ボスの正面をそれほど維持しなくていいことからも、厳しい状況では粘って時間経過による打開を試みる上級戦法にも優れる。4面敵スペルが比較的ましというメリットも。
・霊夢:夢符(霊夢B)
前方範囲型。メインショットの収束率が低い。予めどう行動するか決めておけば優れた攻撃力(近接時は魔符を上回る)と攻撃範囲により活躍できる。
ボムの性能は低いが、ボス戦では無敵時間中の張り付きである程度は補える。初めからExtraを視野に入れる場合の推奨機体。
・魔理沙:魔符(魔理沙A)[キャラ特性:移動速度(高速・低速両方)が高い]
正面集中型。ショットがほとんど拡散せず、炸裂効果もあり前方の敵集団に高い効率でダメージを与えられる。最高の遠距離攻撃力によりボス戦に強く特にExtraで本領発揮。
裏を返せば攻撃範囲が狭いと言え、更にサブショットの初速が遅く機体自体の移動速度は高いため、パターン記憶や操作精度が十分でないと特徴を上手く活かせない。
・魔理沙:恋符(魔理沙B)[キャラ特性:移動速度(高速・低速両方)が高い]
貫通レーザー型。威力・範囲・時間共に最強のボム(マスタースパーク)を持ち、難易度が上がるほど有用性が高まる。Normalでは4面敵スペルが低速高密度系の難関揃い。
レーザーの明滅が弱点。魔符同様に移動の速さが気になるが、細かい避けが得意なら上位難易度ではむしろ弾道予測に時間をかけられるという大きな強みを持っていると言える。
難易度別解説
・Easy
本作では弾道を速やかに読めないとどうにもならず、シューティング未経験者が挑戦したら2~3面の時点で難易度選択を間違えたかと思うだろう。5面ボス戦は白熱必至。
Easyでは残機も満足に増えない。ランダム弾が多いのは他難易度と同じとはいえ、逆に言えばパターンをあまり覚えなくても地力でなんとか攻略できるかも。
敵スペル数が目に見えて少ない上に、5面で強制終了となるのが他作品と比べて大きな利点(?)だが、強制バッドエンドになる。
・Hard
敵スペルの変化により、いくつかNormalより簡単になっている場面がある。得られるスコアが高くなるのでエクステンド目的で積極的に稼ぐ必要はなくなる。
前半の弾幕は比較的穏やかで、パターンを覚えるのに必要な時間が短い分気合い避けが得意なら他作品よりも短期間でクリアできるかもしれない。
逆に、他作品Hardを丁寧なパターン化で乗り切ってきたシューターには厳しいだろうが、これをクリアできればルナ下位~中位作品でも通用する実力あり。
・Lunatic
Hard以下とは別世界。1面道中から殺しに来る。2・3面ボスは気合い避け難度激増、4面以降は順当な狂気度か。稼がずにランク上昇を抑制するのもあり。
NC(ノーコンティニュー)クリアを目指すレベルなら、回避行動を妨げずにボスの位置を何らかの方法(※)で把握することは当然で、当たり判定も分かるはず。
ある種洗練されていないゲーム性だけに、プレイヤーの実力と気力(そして運)がダイレクトにクリア可能性に反映される。人によっては星蓮船Hardや地霊殿よりもきついだろう。
※一瞬だけ見る、視界の端で捉える、弾道から逆算する
・Extra
弾幕ジャンキーのためのスペシャルステージ。本作ではNormalとの難度差が大きく、Normalをかろうじて攻略したプレイヤーを叩き潰す。
エクステンドが2回までと全Extraで最下位なのが最大の要因で、自機の当たり判定が見えないのもノーマルシューターには酷。弾幕自体もシビアな気合避け中心。
Exボスは全作品共通で、スペル使用中に自機がボムにより無敵になっている間はダメージを与えられないので、どうしてもある程度は避ける必要がありショット威力が重要。
本作に限らず、本編にてグッドエンド(≒NC)を迎えた機体だけが挑戦できることに注意(Easyだとグッドエンドでも不可の作品もあり)。
注目敵スペルカード(ネタバレ注意)
・2面:凍符「パーフェクトフリーズ」(E/N/H/L)
ばらまき弾→ばらまき弾一斉停止(タイミング一定)→移動しながらの自機狙いor自機外し複数way弾→ばらまき弾がランダムな方向に一斉に動き出す(全弾同じ加速度)。
本作の難しさの本質が現れ始めるスペル。ばらまき弾は弾速がばらばらで運が悪いと逃げ場が無くなる上に、急に止まるので先読みできず自ら当たりに行くことも。
相応の実力があっても、たまに訪れる詰み一歩手前の状況でボム含む的確な操作を行えるかが鍵。ここでの抱え落ち(最高4ボム)は論外のため決めボムも要検討。
(Hard)
・3面:幻符「華想夢葛」(H/L)
Hard以上で追加される高密度ばらまき弾スペル。
大量の弾から成る弾幕の濃淡を的確に把握して同時に避ける弾数を減らせるような位置取りをする必要があり、上位難易度の気合い避けとは何たるかを教えてくれる。
(Hard)
・4面:水符「プリンセスウンディネ」(E/N)、水符「ベリーインレイク」(H/L) 霊夢B限定
自機狙い3wayレーザー12連射+自機外し300度16way二重小弾5~6連射→移動しながらの自機外し(気味)10way中弾8連射+自機狙い可変way低速小弾8連射(Nのみ)。
高速レーザーで自機を追い詰めた後にランダム要素(Nのみ)のある中弾で道を塞ぎ、Nでは遅れてやって来る低速小弾(徐々にway数増加)が次のセットと重なる。
レーザーを必要最小限の動きで避けつつ中弾や低速小弾に押し潰されないよう細心の注意を払うしかなく、Nとは思えない操作精度を要求される。
H/Lでは、レーザーが角度を狭めていく予告線付き瞬速自機外し2wayに、二重小弾が全方位自機狙い(遅い方は少し横狙い)24/30wayに、中弾が大弾に変化。
ほぼ飾りとなったレーザーと引き換えに高密度の二重小弾への対処が必要になり、ランダム量の移動中に放たれる大弾群の圧迫により運ゲー度が増してしまった。
(Normal)
(Hard)
・Ex:月符「サイレントセレナ」
後方半円12way水色弾列+ランダム発生垂直落下青弾。水色弾列は時間経過で前方にway数が増加し最終的には全方位24wayとなる。
初めは真っ直ぐゆっくり落ちてくる青弾(速度差あり)をかわすだけだが、次第に中速の水色弾列が左右から閉じるように降ってくるようになる。
敵は頻繁に移動するので厳しい角度から水色弾列が迫ってくることもあり、そこに青弾が合わさると回避は困難。
中ボスの攻撃はどれも難しいので全てがボム推奨ポイントだが、1つケチるならここだろう(魔符なら一定時間安地(安全地帯)のある次の完全固定弾スペルで)。