東方輝針城
(Ver1.00b)
特徴
・ゲームシステム上もストーリー上も風神録以来の仕切り直し、風変わりな仕様を廃した原点回帰とも言える作品。
・被弾時のパワー減少が1.00→0.50になり、ボム数については紅魔郷・永夜抄と同様の仕様に戻った。
・自動回収によりアイテムを取得すると、取得数に応じて残機やスペルカードのかけらが出現する。
・自動回収:上部回収またはボム使用によるアイテムの回収を指す。
後者は風神録を最後に廃止されていた仕様の復活。ただし、ボム中に出現したアイテムの回収機能は失われたまま。
・上部回収:自機を画面上部に移動させると画面上のアイテムが回収される。従来からの仕様だが本作の中核を成す要素の一つ。
・自機はキャラ毎に妖器を使用する(A機体)・使用しない(B機体)の2タイプで低速ショットとボムが変化。高速ショットは共通。
・高速ショットを敵に当てるとPアイテムが出てくる。そこまで意識しなくてもいいが、Extraの最後でパワー回復の余地あり。
・かけらエクステンド(3つで1UP):スペルカードのかけら(8分割)の出現条件(※)を5回満たすか自動回収で60個以上回収することで出現。
※自動回収で20個以上回収または(中)ボスの各攻撃をノーミスノーボムで突破(咲夜Aのボム中の被弾は通常攻撃ならOK)
難易度概説
・とにかく自動回収が全て。ある程度回収できたらボムに、大量または何回も回収できたら残機につながる。
・自動回収のためには自機を画面上部に移動させるかボムを使用することになる。
当然前者は危険を伴う。後者はボムを残機に変換すると言え、タイミングによっては難所の突破とエクステンドの両立が可能。
・プレイヤーの行動次第でエクステンド回数は大きく変化する。上手くいけば面白いくらいに残機が増えていく。
2~3面でボム数がピークに達しやすく、そこで抱え落ちしてしまうと被害は甚大。回収も兼ねてどんどんボムを使っていきたい。
・本作以降、自機(後述)やゲームシステムが強力となる傾向にあり、いかに弾幕の脅威を克服または無視できるかという観点が重要になっていく。
・シンプルなゲームシステムに比して、敵スペルはプレイヤーに直接干渉するような奇抜なタイプが少数ながら目立つ。
気合避けスキルをシビアに問う弾幕が特に中盤のボス戦で多く、弾道予測に余程の自信が無い限り決めボムを多用することになる。
・総合的には低難度の作品に入ると思うが、初心者向けであるかについて世間からの評価は分かれている。
「分かりやすいが普通ではない」といったところか。
・ハイスコア用の機体である咲夜Bが余りにも弱い。
他機体の1つ上の難易度より難しいと言われる程で、スコアアタックよりも腕試しのために使われている気がする。
注目自機
・霊夢:妖器「お祓い棒」使用(霊夢A)[キャラ特性:当たり判定が小さい]
低速ショット(?)は一つしかない飛び道具で、近くの敵に飛んで行って周囲を痛めつける。動きは速くないが、上手く設置すれば局所的に敵を殲滅し安全に上部回収できる。
敵のすぐ前で放つと高威力の中心部分を当てられるが、時間と共に位置がずれていく。そのため、ボス戦では近くに留まり定期的に当て直す戦法も有力。
ボムは異常な力で目の前の敵を何度も殴りつけるが、移動は遅く範囲も狭いので緊急回避としては実にもったいない。低速ショットと同じく根本部分が優れたダメージ源になる。
使いこなすには慣れを要する一方、高速ショットはいつものホーミング型で両ショット共に追尾機能を持つので、道中ではパターン完成の有無を問わず強力な機体でもある。
・魔理沙:妖器を使用しない(魔理沙B)[キャラ特性:高速移動が速い,アイテム自動回収ラインが僅かに低い]
公式チート。これぞ輝針城! 意思を持ち暴走する道具をどうにか制御するというお話なのに、何かもっとやばい謎の魔法兵器が何の説明も無く出てきた。
ボムの魔法陣(ゆっくりと前方に加速していく)に敵弾が当たるとPアイテムに変換される(敵弾5発につき1つ)ので、エクステンド回数を大きく伸ばせる。
ただし、敵スペル中は変換効果は無く弾消しのみ。無敵時間は短く魔法陣内部に留まり続けるのは難しい上に連発もできず、防御面では不安が残る。
敵弾の多いLunaticやExtraで真価を発揮する。なお、低速ショットは遠距離では最強の攻撃力の上に敵に当たるとPアイテムを少量ながら出す。え?
・咲夜:妖器「シルバーブレード」使用(咲夜A)[キャラ特性:アイテムの落下速度が僅かに遅い]
低速ショットは近くの敵に向かって発射され刺さった後に炸裂、刺さっている間はダメージにならないが敵の移動・攻撃速度が遅くなる。道中での運用には工夫が必要。
ボムは攻撃能力を持たないが弾消しや自動回収に加え10秒間敵弾を防ぐ効果があり、被弾すると再び弾消し及び自動回収、無被弾だとスペルカードのかけら3つに還元される。
ボスのボム耐性を無力化し耐久スペルにも強いので6面終盤やExボス戦で特に有効。道中でもバリア内で安全に上部回収を狙えるので非常に心強く、初心者でも安心の機体。
弾幕の易化や抱え落ちの保険、ボム1つで二度の自動回収など独特の特長を持ち、パターン遂行とボム中の気合い避けを両立しやすいのも魅力的。
難易度別解説
・Easy
弾数が少ないので上部回収しやすい。しかし、素直な性能でない強力な機体や一般的でない敵スペルの存在、そもそも初心者に上部回収の要請は酷といった課題がある。
弾幕難度は標準的だが、割と速度重視であるためボムを撃ち損ねるリスクが高い。「お前が~」スペル初見で計8ボム抱え落ちました・・・。
・Normal
エクステンドを積極的に狙える最低限の実力があれば相対的な難度はかなり低く、ある程度の経験を持つプレイヤーにNormal入門クラスとしておすすめできる。
有力な自動回収箇所をきちんと把握しよう。このゲームで身を守る術はボムしかないので、かけらの損得に関わらずいかなる時も頼っていい。A機体なら4ボス戦はボム連打。
・Hard
それなりに弾幕を避けられるなら、自機の性能や残機数のおかげで比較的安定させやすい。それと3面中ボススペルで絶句する。
敵の出方を抑えての接近戦による速攻が好みなら霊夢A、抱え落ち対策を施した上で自分の避け能力を試したいなら咲夜Aが最適。
・Lunatic
上部回収がますます危険になるが、魔理沙Bの反則ボムによる豊富な残機でごり押し可能。ボムとボムの間の危険な時間をやり過ごせるかが鍵。
NCクリアできるかは道中でどれだけ残機を稼げるかに大きく左右されるので、ボス戦では無理せずボムを消化できるかが重要。
・Extra
中ボス・ボス戦は高レベルな気合い避け弾幕のオンパレード。スペルプラクティスを使っても厳しいので、道中を極めて残機を増やす方向性で。
魔理沙Bを使えばボスの通常攻撃の大半でエクステンドが狙える。魔理沙BではむしろNormalの方が難しいが、本作以降はEasyでNCクリアした機体でもExtraに挑戦できる。
それ以外の機体を使う場合はNormalから格段に難度が上がっており、初めて挑戦するExtraとしては不向き。
注目敵スペルカード(ネタバレ注意)
・1面:氷符「アルティメットブリザード」(H/L)
全方位8way小弾8/10連射(左回転→右回転)。途中から、斜め(右下→左下)2/3way六重楕円弾が追加。楕円弾は減速し停止後一斉に直角に曲がり定速移動となる。
カーブするように見える楕円弾は当たり判定が厳しく、小弾の道に沿って避けていると嫌な角度から滑り込んで来てそっとなでるように轢かれがち。
当サイトの難易度評価順にプレイすると、最初に出くわす1面中ボススペルがこれというのは少し気の毒(咲夜Aならまし)。楕円弾接近まで正面を維持し速攻してしまおう。
Lだと小弾の展開力と3way楕円弾の低収束率により、安全な位置の確保が困難な全く侮れない弾幕。縦や斜めの移動を狂いなく行えないのにボムを使わないなら苦戦は定め。
・4面:楽符「邪悪な五線譜」(E/N)、楽符「凶悪な五線譜」(H)、楽符「ダブルスコア」(L) Aタイプの機体限定
自機依存5way曲線レーザー+全方位音符弾・休符弾ばらまき。Lだと曲線レーザーが4wayになる代わりに続けて別方向にも発射される。レーザー発射間隔はE>>>N>H=L。
符弾は減速後に真下に定速で落下(落下速度は音符>休符)、後半戦では上に飛んだ休符も合流する。休符弾は細いが詐欺判定に近く、見た目通り電流と考え近接すべきでない。
主役は極悪なレーザーだが、E~Hにかけての符弾の増量がえげつなくリスク配分は移り変わる。意識(視点)をレーザーと符弾の間で速やかに切り替えるのは必須テクニック。
ボスとの相対的な位置関係を安定させればレーザーの間に入りやすくなるため、あまり動き回らない方がいい。ただ、大挙して押し寄せる符弾の緊急回避も実際は重要。
Lだと二正面レーザーの直撃はもちろん、残留交差レーザーが符弾を避ける面積を狭めることが非常に厄介。符弾毎の速度差も見極めて、3種3方面の脅威への複合対応が必要。
Eではレーザーの発射頻度が低いので毎回ボスの右側に陣取ることで無力化できるが、短時間で符弾幕を確実に突破できる実力があるのならどの道ボムは余るだろう。
・Ex:弦楽「浄瑠璃世界」
弁々(左)からは左回転反射橙音符連射、八橋(右)からは複数way(?)左カーブ青音符速射。約14秒経過で弾源と回転・カーブの方向が入れ替わる(色はそのまま)。
反射音符は一度だけ画面上端または左右端で跳ね返る。連なって飛んでくること自体が問題で、反射分やカーブ音符と織り成す交差に不意に巻き込まれるとまず助からない。
その一方ふんわりカーブの青音符を前にしての半端な決断も許されない。軌道を先読みして同じ方向に大きく避けるのはリスクが高く、やるなら迅速な対応が求められる。
反射音符は拡散してから避けたいので右側でショットを当て続け、必要なときだけ右から左または上下に抜けるようにしよう。弾源交替後のラスト数秒が真の勝負時。
・Ex:「プリスティンビート」 最終スペル
全方位自機外し52way高速休符弾+複数弾源からの全方位可変way低速米弾群。ボスのHPに応じて攻撃が変化、最後の第5段階では全方位自機狙い36way中速音符弾が追加。
米弾は段階別(青→紫→赤→黄)で弾源数(弾源位置)/way数(1wayにつき3弾)/同じ弾源からの発射間隔が以下のようになる。
2弾源(東・西)/32way/長 ⇒ 4弾源(東・西→北→南)/32way/長 ⇒ 5弾源(東→西→北東→北西→南)/32way/短 ⇒ 7弾源(東→西→北北東→北北西→北東→北西→南)/25way/短
休符弾対策として発射後に横移動しないことが要求されるが、米弾が増長していくにつれ動かない訳にはいかなくなるので結局は目視してまとめて弾道予測せざるを得ない。
終幕を告げる自機狙い音符は掟破りの非情さで、リズムゲーと言わせぬ真っ当な気合かボム連打を引き出す威容と速射力を誇る。休符弾と同時に意識する余裕を生むのは難しい。
前二つのスペルを巧みに切り抜けないとパワー4で挑めず、大抵のボムは大した時間稼ぎもできないことから消耗戦にもつれ込みやすいため、咲夜Aのボムが非常に頼もしく映る。